Environmental Initiatives
CO2 Emission until 2016
この写真は、東京粉末の工場より自転車で数分のところにある森です。
市街地の中に浮かぶ「トトロの森」。首都圏を代表する重要な自然環境です。


クライマーに限らず、人は常に自然環境と密接な関係を持っています。
そしてそれはほぼ、自然にとって良いことではありません。

私達はクライミングチョークを製造・販売するにあたり、 自分達がどのくらい自然環境に負荷をかけているのか知る必要があり、
その負荷を上回る環境対策を講じてこそ、私達が持続的にチョークを製造・販売することが可能になると考えます。

2013年 - 2016年の排出量データはこちら


環境への負荷とは

私達が製造販売にあたり軽減できる自然への負荷を考えた時、どういった活動をしていて、それがどういう基準で環境への負荷を与えているのかを考えなければなりません。もちろん製品の使用の際に岩や自然に与える影響がどうであるのかは身近で最重要問題ですが、それに加えて東京粉末では、生産・販売活動自体においてかかっている自然への負荷について2013年より排出量のデータを算出し、削減に努めています。

私達の活動は、商品の開発・製造・販売です。これらの作業工程を見ていくと、まず原材料の調達(輸送・消費)から始まり、製造過程での水道・電力の消費と包装等の加工と廃棄物処理が必要です。同時に営業活動や出張、納品においてはガソリンや電力などのエネルギーを消費しています。完成品は各販売店に配送されますが、配送にかかる梱包材をはじめとする輸送や販売の際にも消耗品が必要です。お客様が使用された後にも多くのパッケージは廃棄物となります。


温室効果ガスおよび脱炭素社会に向けての取り組みについては様々なことが言われていますが、そもそも私達は生きている限りどんな形であれ環境に負荷を与え続けるのです。だから、せめて自分達のかけているであろう環境への負荷を知り、可能な限り削減していくことによって少しでも多く環境への貢献ができるのであれば、それに越したことはありません。また、排出量を算出するにあたり多くのデータを参照し計算していく中で、材料などのロスやゴミ・輸送などの無駄を発見し、製造効率の向上にも役立っています。
CO2排出量の調査

二酸化炭素排出量の算出は非常に曖昧で難しいものでした。排出量は各項目の使用数量や金額に排出原単位をかけて求めます。乗算するわけですから、この排出原単位と呼ばれる数値によって、排出量は大きく左右されます。そして参照するデータベースによって若干違いがあります。また、データベースは数種類あり、1つのデータベースで全てカバーできないので、それぞれの中から適切なものを選ばなければなりません。また、材料・燃料などはその使用量からでも金額からでも算出することができます。その単位によっても違いが出てきますので、まずは排出原単位を確定させ、それを基準として毎年の調査で使用していくのが適切であるという考え方のもと算出しています。

2013年より2016年までの調査においては、開始当時に把握できる限りの指標の中で、あれこれと模索しながら算出したデータおよび排出原単位を基準にし、新しいデータベースが出たとしても同じ原単位を使用してきました。毎年新しい情報が少しずつ出てくるものの、そもそも算出方法の基準値などを変更してしまうと、増加率や変化の度合いを把握することが難しくなる為です。

そして2016年の排出量調査後に書いたとおり、2017年分の調査からはより明確な算出方法を選択して仕切り直すことにしました。というのも、現在環境省より推進されているサプライチェーン全体を視野に入れた算出方法が、今までのものより事業活動の視野を広げた多岐わたる状況を把握でき、且つその算出に関わる資料やサンプルが豊富であり、そのデータはより現実に近くなると考えたからです。



サプライチェーン排出量

通常、二酸化炭素排出量算出では、自社においての排出量を把握して削減していくのが一般的でしたが、「排出量の把握・削減は自社の排出のみでよいのか?」「更なる削減の可能性はないのか?」ということで、算定範囲を組織のサプライチェーン(原料調達から製造、物流、販売、 廃棄に至る、企業の事業活動の影響範囲)全体へ拡大し、更なる削減の可能性を広げた排出量の算出方法が環境省より推奨されています。


環境省配布パンフレットより


2017年からの算定は、サプライチェーン排出量で

さて、排出量を算出していく中で私たちが2015年に感じた疑問「材料等仕入れについては別会社の排出になるので、弊社で計上する必要があるのかどうか」ということで、普通は上流のもの(自社に来るまでのもの)は計上せずに、下流のみで計算します。それが、上流側も含めたサプライチェーン全体で考えることによって、より広範囲に炭素削減が可能になっていきます。

私たちの排出量の多くは原料にありますので、材料主体で削減を進めていければ、一層環境への負荷を減らせることができるようなる可能性が出てきます。ということで、2017年度の排出量算出より、このサプライチェーン排出量算定のガイドラインに沿って計算していく方法に変更いたしました。


サプライチェーン排出量の算出方法

サプライチェーン排出量の算出にあたり、環境省から配布されているガイドラインに従いました。
同じく環境省のサプライチェーン排出量の算定支援ツール、業種別解説および排出原単位データベースと、各種活用セミナー事例を参考にしながら算定しています。

基本的には自社の排出量関係であるScope1・2と、上流側と下流側の排出であるScope3の全てのプロセスの合計を算出します。
簡単な説明を転機しますと、
Scope 1燃料の燃焼、工業プロセス等、事業者、自らによる温室効果ガスの直接排出
Scope 2他者から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope 3その他間接排出(自社の活動に関連する他社の排出)
という3つの大きなフェーズから成り立っていて、それとは別に小さい項目として上の図にあるように15個にカテゴライズされ、環境省ではこの15カテゴリ全てにおいての算出が推奨されています。

2016年までの手探りで行なってきた算出方法を捨て、この具体的なガイドラインの説明の上で再度排出量を算定していき、弊社の活動における排出量の把握に加え、サプライチェーン全体像の把握、そしてそれらの削減箇所を把握し、削減の対策を立てていくのが2017年のターゲットになります。

2017年 - 排出量の調査

2017年は、15カテゴリーについて以下のように算出しました。


カテゴリカテゴリ名排出量 [CO2e-t]割合 [%]
カテゴリ1購入した製品・サービス10.8340.0
カテゴリ2資本財8.6531.9
カテゴリ3Scope1,2に含まれない
燃料及びエネルギー関連活動
0.080.3
カテゴリ4輸送、配送(上流)0.080.3
カテゴリ5事業から出る廃棄物0.040.2
カテゴリ6出張0.301.1
カテゴリ7雇用者の通勤6.3923.6
カテゴリ9輸送、配送(下流)0.521.9
カテゴリ12販売した製品の廃棄0.170.6
合計27.07100.0
※カテゴリ8、10、11、13、14についてはリース(上流・下流)フランチャイズおよび投資等へ該当する事業無しの為省略しています。
前年度との比較
2016年の総排出量は約24tで、2017年では約3t増となりました。前述した通り異なる算出方法を採用したことで、原単位や考え方の違いから正確に比較することはできませんが、各カテゴリーを適当な項目と比較してみるとおおよそ今までの算出方法での数値と似通っていて、ある程度は絶望的観測の元に参照できると思います。
カテゴリ1:材料以外のもの
2016年からの大きな変更といえば、カテゴリ1においては原材料の他、事務用品などの一般消耗品や梱包資材、事務所改装等に使用する木材なども含んで算出するようになりました。その為、地道な経費削減がそのまま排出量の削減に繋がっていきます。
カテゴリ2:資本財の排出量について
今回の排出量算出でも変わらず材料に関するカテゴリ1が一番のウェイトでしたが、カテゴリ2資本財の排出量が31%のウエイトを占めました。これは、東京粉末の会社の独立に伴った機械設備や事務用品、移転の際の購入機器などへの支出が影響しています。導入費用が多くを占める為、次回以降メンテナンスに移りつつ減少していくものと考えられます。
カテゴリ7:通勤の排出量について
3番目に大きなウェイトを占めるのが雇用者の通勤となっています。数値が高い理由の一つは、配送業者による燃料消費は間接的であり積載率で分配されていますが、自分たちの消費する燃料に関しては直接的に消費する燃料についての高い原単位計算に由来していて、経理の関係から小規模ではありますがこの中にカテゴリ9・下流の自社配送に関する燃料費も計上していることが挙げられます。対策としては、自転車等の燃料を使用しない通勤方法を手当等で推奨し、自転車通勤に関する諸問題に対する関連規定を用意することで削減を目指します。
カテゴリ3:電力
二酸化炭素排出の最大の削減事項である電力については、完全に東京粉末単ー使用になったのが最近である為に、未だ未知数であり、今後の消費量に従って削減対策を立てて参ります。
カーボンオフセットについて
カーボンオフセットの方法については未だその解決策を見出せず、4年間ずっと棚の上にある状態が続いています。何が最適で何がもっとも正しいのか。リーマンショックでの大打撃を受けた排出権取引、取引量等によって大きく変動する排出権価格、そういった金銭トレード的な側面を見るにつけ、何が正しいのか混乱してしまうのです。
最良のスキームである国内クレジットについても問題点が指摘されていたり、パリ協定の発効を受けてJクレジットの入札価格が2016年6月には1tあたり510円だった取引価格も、17年1月には1,500円代に高騰するような変化がありました。他にもJクレジットを扱った様々な民間企業によるサービスがありますが、素晴らしい取り組みにも関わらず、収益と利権の香りがしてくるわけです。

そういった意味では、私達のような極小の超零細企業にとっては独自の手段を模索するべきなのではないか、という結論に至り、そしてそれは公に認められたものではない、ということで、また排出権取引に戻る、を繰り返しているわけです。そもそもは排出量を最大限に抑えながら、それでも出たものに関しては何かしらの道を近々に見つけていけるよう尽力していくしかありませんので、近々の問題としてなんとか道筋をつけていきたいと思っています。
総括および2018年からの活動
再度排出量を勉強し直し、異なるフォーマットの上での初めての算出した結果としては、ある程度は以前の数値と比較が可能だったこと、そしてなによりビジネス活動の全ての範囲において排出量を視覚化できることで削減目標が立てやすくなりました。また、2018年からは事務所・工場を1つの場所に集約し、排出量と常務上の無駄は大きく削減できると考えています。

しかしながら、以前は他事業と電力等を共有していたこともあり、それが完全に東京粉末単体での消費となることで、実数値と削減の可能性の把握についてはより確実になる反面、一番のウェイトとなる燃料に関する排出量が必然的に増加することへの対応を模索していかなければなりません。そのような大枠の目標と方針でありますが、ひとまず現時点(2018年1月)ではこの2017年排出量をベースに今後の削減状況を見ていきます。

なお、今後の算出スパンについてですが、このサプライチェーン排出量算出には膨大な取引データが必要で、そのほとんどが経理との結びつきが強く、今回は1つの項目を参照するにも決算をまたいで2期分のデータから別々に抽出しなければならなかった為、大分非効率的な作業にかなりの時間をかけてしまいました。故に、次回以降の算出は決算後を起点として1年間を1スパンに組み替えて算出していく予定です。
参考リンク
Update : 1/21/2018




Like a climb

目標は、私達一人一人がこの世界に貢献すること。その手段として東京粉末があります。
小さく未熟な企業であっても、大きな可能性があることを感じています。

この一連の取り組みから私達は多くのことを学んでいます。
環境について考え、できることをやっていくことが、実は環境だけでなく、業務の効率化やスキルアップ、
なにより励みになり、それは間違いなく製品の品質向上へとつながっています。


目の前の問題を浮き上がらせては解決していく。
新しい課題を見つけては乗り越える。
その過程こそが成長の源であると気付く。

どんな物事も、クライミングのようにシンプルなのかもしれません。